クーリングタワー(冷却塔)充填材洗浄と効果

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クーリングタワー(冷却塔)とは

工場における冷凍機やコンプレッサーの冷却水、ビル空調や地域冷暖房設備などに使用されているクーリングタワーは、水の気化によって周りの熱を奪う気化熱の原理を利用して、最小限の電力で冷却水を作る設備です。

クーリングタワーで冷やされた冷却水は冷凍機の場合、冷媒を液化する工程で使用されます。使用されて温度が上昇した冷却水はクーリングタワーに送られ5℃(汎用的なクーリングタワー)冷やされます。温度が下がった冷却水は再度、冷凍機へ送られる仕組みです。

充填材と汚れ

クーリングタワー内部には充填材と呼ばれる、凹凸のある薄い塩ビ製のフィンを何層にも張り合わせたシートが入っています。充填材は空気と水を効率的に接触させ、水の気化量を増加させる役割を持つクーリングタワーの冷却機能に欠かせない部品となります。

冷却機能を維持する重要な部品ではありますが、常に外気や冷却水と接触しているため有機物や塵、ヘドロ、冷却水に含まれるカルシウムやシリカ、マグネシウムなどの成分が充填材に付着、堆積していきます。また、日光が当たる場所では堆積物の他に藻やコケが生えることも多くあります。

汚れ=冷却効率は低下=電気代は上昇

充填材に堆積物が溜まる(表面を付着物が覆う)と、冷却効率が下がってしまいます。

これは付着物の多くが水を保持する働きをするため冷却水が気化しにくくなること、付着物によって表面積が少なくなることに加え、外気も取り込みにくくなり、充填材の表面積で決まっている冷却性能が得られない状況となるからです。

汚れは結果として冷媒液化量の低下につながるため、凝縮器の回転率が上がり冷凍機の冷却効率低下と電力消費の上昇につながります。

従来のメンテナンス方法

充填材メンテナンス(洗浄)は、高圧洗浄で洗い流す方法が主流になっています。

ですが、高圧洗浄を行った際に回復する性能は全体の5%程度です。先にご説明したように凹凸のあるフィンは、高圧洗浄を行っても奥行き1メートルあるなかの手前の1~2センチまでしか洗浄が届きません。

そんな課題を解決するために開発された洗浄液を使用したメンテナンス方法を次にご紹介していきます

エコプラント工法:充填材の引取洗浄

充填材を抜き取って専用の洗浄液で有機物やシリカスケールなどの付着物を100%除去を行う工法です。

作業工程としては、充填材取出しおよび内部清掃(洗浄液は使用しません)、抜き取った充填材を工場にて洗浄再生(洗浄液を使用)、充填材組付け、試運転確認 となります。

影響が少ない冬場や長期連休中、複数台の一部を順番に実施できる場合などに最適です。

洗浄液を使用した工法では写真のように母材を傷めず、新品同様に付着物を除去できます。薬剤の残渣も残ることはありません。

回復率を検証してみました

2基並んだ同一環境条件の冷却塔にて1基のみを洗浄し、その差の電力消費を調べる検証実験

洗浄後の6カ月、月平均で約30Mwhも電力消費量に差が出る結果になりました。これを電気代に換算すると約百万円ほどになる驚きの結果でした。

簡易エコプラント工法:充填材の現地洗浄

一時的な回復を図る場合など夏場の緊急対策として、現地で充填材を洗浄する工法です。緊急対応用の洗浄剤は有機物のみをほぼ完ぺきに除去する洗浄液です。シリカなどの無機物スケールは除去されないため、回復具合は環境に依存しますが性能は新品と比較して約80%回復します。

作業工程としては、設備に付着物が流れないように配管を塞ぐ、貯水、ルーバー外し、薬剤作成、薬剤循環、水洗、薬剤中和、排水、内部洗浄、ルーバー取付けとなります。

排水は一般的には、薬剤の中和処理を行っており、工場内で廃液として処理が可能で下水に流すことも可能です。

電力消費を抑えたい、CO2削減を考えている、新品交換からメンテナンスに変更したいなど、まずはご相談ください!

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